買得 明石の女御と紫の上、源氏の君が弾く琴を聞くことを望む・大炊 和書

京都の公卿・大炊御門宗氏（おおいのみかど むねうじ）自筆「源氏物語」近衛基熙・旧所蔵

自筆「源氏物語」の「若菜（わかな）上」の巻は、禁裏（京都御所）において書かれたものです。土方泰山伯伊東元帥画賛幅　兵可用酒可呑　土方久元・伊東祐亨。
自筆「源氏物語」の筆者である「大炊御門宗氏（おおいのみかどむねうじ）」は、室町時代の第103代天皇である後土御門天皇（ごつちみかどてんのう）の曽祖父です。大野林火色紙　郭公の　大野林火。
したがって、出品した自筆「源氏物語」は、天皇の曽祖父の貴重な自筆です。女庭訓　黒岩涙香小史訳述　永洗口絵。大炊御門宗氏の長男・信宗の娘が大炊御門信子（のぶこ）であり、信子は後花園天皇の寵愛を受け准后として御所に居住し、皇子を生み後に第103代後土御門天皇として即位し、信子は生母・皇太后となる。伊藤観魚書幅　金剛摩尼華　伊藤観魚（八田道人書き）。現在の今上天皇と系譜がつながっている。十年　佐藤春夫他編　岸田劉生装幀。

 関白・近衛基熙（このえ もとひろ）は、後水尾院（第108代後水尾天皇）の皇女・常子内親王と結婚。西春日井郡安井村全図　稲垣氏所蔵同捺印。二人の皇女・熙子（ひろこ）は、甲府藩主・徳川綱豊と結婚。世界名作探偵　２０　透明人間　ウエルズ　海野十三。綱豊は、のち第六代将軍・徳川家宣となり、熙子（ひろこ）は将軍家宣の正室となった。瀧井孝作句幅　朝顔の句　瀧井孝作。近衛基熙は、千利休の孫・千宗旦との茶会の交流（下記に掲示）で知られると同時に、第111代・後西院天皇や後水尾天皇を主賓に迎え茶会を開催。森村宜稲画幅　鶉　森村宜稲。茶会の際、基熙が所蔵する藤原定家・自筆の「定家色紙」を持参した記録がある。虜愁記　直木賞　千葉治平。基熙は、他にも朝廷・幕府の間で茶会を何度も開催した記録が残っている。コドモトナリグミ　（児童書　絵本　漫画本）　坪田譲治作　武井武雄画。（資料の記録は下記に掲示）

 出品した「源氏物語」は、南北朝時代から室町時代前期の公卿であった「大炊御門宗氏（おおいのみかど むねうじ）」の自筆です。柳原白蓮歌　名取春仙画幅　おもひきや…　白蓮画賛。
 自筆「源氏物語」の書の特徴から高松宮系統と称されるものです。改正新刻　京都市街名所新図　片岡賢三編。「源氏物語」には、応永五年（1398）～応永十三年（1406）までの複数の年号の記載があることから、少なくとも応永五年から8年間にわたり書かれていることがわかる。千家元麿書幅　佛陀の…　千家元麿。このため後醍醐天皇の宸翰（しんかん・天皇自筆）にかなり近い年代に書かれていることがわかる。狂言画　伊勢門水。また、各巻ごとの書かれた年については不明。明星画譜　全１２葉　与謝野寛編　伊上凡骨刻。従って、応永五年とは、書き始めの年である。小早川清画幅　初かり　小早川清。また、落款から、後年、近衛基熙（1648～1722）の所蔵となり、時代が下って、松平不昧公の手にわたり、正室・方子の所蔵となったものである。奥羽道中膝栗毛　五篇各上中下巻揃　十返舎一九著。近衛家で永く保存されておりましたので、保存状態は極めて良好です。白描　十二支及び十二神将図像。

 大炊御門家は、平安時代末期摂政関白藤原師実の子経実・治暦4年（1068）～天承元年（1131）を祖として創立された。近江国細見図　山下重政。大炊御門北に邸宅があったため「大炊御門」を称する。水原秋桜子句幅　花の雨　水原秋桜子。初代、経実の子経宗は平治の乱で平清盛方の勝利に貢献。朝の影　広津和郎。また、二条天皇の外戚として勢威をふるい、左大臣に昇った。地熱　渾大防小平。出品した「源氏物語」の筆者・大炊御門宗氏（おおいのみかど むねうじ）は、大炊御門家13代の当主で南北朝時代から室町時代前期の公卿。0406か6■和本■詩経名物辨解【享保16年/7巻3冊揃/虫損/シミ】京師書林【ゆ60】。応永5年（1398年）に従三位となり公卿に列する。第６回追悼会　憂国忌　ポスター２種　２枚他　憂国忌実行委員会。備前権守、参議、権中納言、権大納言などを歴任し、応永27年（1420年）に内大臣に昇任した。太田水穂色紙・井上康文色紙貼り合わせ幅　太田水穂　井上康文。

 旧・所蔵者の近衛基煕は、「源氏物語」に造詣が深く、「源氏物語」の注釈書『一簣抄』（いっきしょう）を著（あらわ）しております。三島由紀夫自選集　　限定版　署名入り　三島由紀夫。炊御門宗氏・自筆「源氏物語」は、近衛基熙が研究のために収集し、のちに出雲松平家に伝わり、松平治郷の正室・方子が鑑賞していたものです。大鎧着初式　市岡太次郎。近衛基熙が所蔵する自筆・「源氏物語」の中で、最も美しく繊細な筆致で記された平安時代の文字に最も近いとされております。女人散らし書き　Ａ。数ある自筆「源氏物語」の中で、第一級品と称される貴重な自筆です。＠1916年 擁護共和 紀章 雲南 都督府 検索: 支那 中華民国 北洋 軍政府 軍閥 唐継尭 蒋介石 閻錫山 馮玉祥 五色旗 孫文 国民党 生写真 督軍。

 出品した「源氏物語」は「若菜（わかな）上」の内容の要旨
『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。越後国大絵図　（仮題）　絵師版元など不明。若菜の巻名は、「小松原末のよはひに引かれてや野辺の若菜も年をつむべき」に因む。赤復得楽帖 　　◆貴重　/古書画。源氏の君の兄・朱雀院（前朱雀天皇）は六条院の行幸直後から体調を崩し出家しようとするが、後見人の居ない愛娘・女三宮の将来が心配で躊躇している。膳城烈士遺稿・膳城烈士伝　計２点　永元原蔵編。婿選びに思い悩んだ末、朱雀院は源氏の君に女三の宮を託すことを決心、源氏も承諾した。紡錘　山中智恵子。年が明けて二十三日、源氏の四十の賀が盛大に行われる。夢を描く　尾崎久弥（尾崎楓水）。二月に女三宮が六条院に降嫁した。石井河内守利寛より渡辺半十郎宛礼状。翌年三月には明石の女御（源氏の娘）が東宮（皇太子・後の帝）の男御子を出産。植松有経歌幅　月下薄　植松有経。それからしばらくして、突然冷泉帝が東宮（後の帝）に譲位した。高浜虚子句幅　秋の雲　高浜虚子。一方、かねて女三宮の降嫁を切望していた柏木（内大臣の息子）は、その後も未練を残していた。【推薦・繊細 明治期 彩色木版画】大日本史事畫集等検合戦国武将軍記武者絵入天皇仏教浮世絵本仏像歴史古書籍骨董品錦絵朝廷中国朝鮮歌舞伎。三月末、六条院の蹴鞠（けまり）の催しに訪れた柏木は、飛び出してきた唐猫の仕業で上がった御簾の奥にいる女三宮の姿を垣間見てしまう。殿居嚢（武家故実）　大野広域著。それ以降、柏木はますます女三宮への思いを募らせていく。半田良平短冊　磐梯山　半田良平。源氏の君、39歳から41歳までを描いている。浅野梨郷短冊　７枚一括　浅野梨郷。

自筆下部の印は出雲・松江藩主・松平治郷の正室「方子（よりこ）」と娘・幾千姫（玉映）の落款（印譜）


自筆上部の「我君不遊有深意（わが君の遊ばざるは深意あり）」の漢詩の落款
漢詩は「白氏文集」の中の有名一節です。勢州阿濃津之城図　（津城）　三重県津市内。押捺の詳細な理由は下記説明欄に記載
（自筆表面の凹凸はストロボの反射によるものです。新撰精密　万国新地図　山中善三郎。）

大炊御門宗氏・自筆「源氏物語」近衛基熙・旧蔵の来歴については下記「説明欄」に記載

《「源氏物語」若菜（わかな）上の巻》
「若菜・上」の巻は英文で「New Herbs Part One」と表記されます。伊藤圭介二行漢詩幅　花香…　伊藤圭介。
《原本上部に「我君不遊有深意（わが君の遊ばざるは深意あり）」という、中国の皇帝が行幸しないのは莫大な行幸に費やすことを控える徳を讃えた「白氏文集」の漢詩文の落款が押捺されており、この漢詩文は「若菜・上」の原文中から引用されている。人間を彫る　限定本　関野準一郎。》

「額縁入自筆原本」


（自筆表面の凹凸はストロボの反射によるものです。小林清親肉筆画幅　二幅で　小林清親。）

「自筆原本」
自筆下の二つの印は、出雲・松江藩主・松平治郷の正室・方子・と娘の幾千姫（玉映）の落款。斎藤五百枝挿絵画稿　斎藤五百枝。

自筆上部のタテ長の印は、「我君不遊有深意（わが君の遊ばざるは深意あり）」は、
中国の皇帝が行幸しないのは莫大な行幸に費やすことを控える徳を讃えた漢詩文の落款。兵器考・4冊・戦前の兵器学のバイブル/有坂〇蔵/砲熕編・一般部/砲熕編・海軍砲熕・小銃/古代編・近代編/古今東西の兵器の大観に通ずるもの。
反対側の印は仙台藩医・木村寿禎の落款

《原本中の凹凸はストロボの影響によるものです。黒田清綱短冊　江水鳥　黒田綱輝。》

自筆下部の印は出雲・松江藩主・松平治郷の正室「方子（よりこ）と娘・幾千姫（玉映）の落款（印譜）


自筆が「古切」とされたのは江戸時代。名古屋市全図　Ｂ　松岡利助。古切に至る詳細な経緯は下記「希少価値欄」に記載

（１）・自筆の「原文の読み下し文」は次の通りです。絵入小唄集　三味線草　再版　竹久夢二。

《「源氏物語」若菜・上（わかな）の巻》
《原本上部に「我君不遊有深意（わが君の遊ばざるは深意あり）」という若菜・上の原文中に引用されている漢詩の落款が押捺されている。山本太郎色紙　天まつせんを　山本太郎。》

御ゆとの（湯殿）のあつか（扱）ひなとをつか（仕）うまつり給（たま）ふ。古刀銘尽大全/古刀銘盡大全・8冊/仰木伊織/初心目利手引焼刃部類分・鍛冶系図・番鍛冶・刀剣見様之事・焼刃忠押形並彫物・中心銘押形。
春宮の宣旨なる典侍そ仕うまつる。月光仮面　２　川内康範。
御迎湯に、おりたちたまへるもいとあはれに、
うちうちのこともほの知りたるに、
「すこしかたほならは、いとほしからましを、あさましく気高く、
けに、かゝる契りことにものしたまひける人かな」
と見きこゆ。高浜虚子短冊　ガス深き…　　高浜虚子。このほとの儀式なとも、まねひたてむに、いとさらなりや。百人一首女庭訓入　女有職?（みばえ）文庫　文海主人。
[10-6　帝の七夜の産養]
六日といふに、例の御殿に渡りたまひぬ。詩集　采花集　与謝野寛。
七日の夜、内裏よりも御産養のことあり。■『狙日第五列』山中峯太郎著。昭和15年初版帯。帯付稀本。同盟出版社刊。■猶太(ユダヤ)國際陰謀の基底を小説化。。
朱雀院の、かく世を捨ておはします御代はりにや、
蔵人所・・・・《よ里（り）、頭弁、宣旨うけたまはりて》

（文責・出品者）
「原文の読み下し文」は、読みやすいように「通行訳」としております。海上衝突予防規則問答　全　本山漸編。


（２）・自筆の「原文の現代語訳文」は次の通りです。(尾張藩)編年便覧　平岩蔵の書き入れ。

《「源氏物語」若菜（わかな）・上の巻》
《新年・明石の女御（皇太子の正室）の出産が迫り、安産祈願が行われる》
　《明石女御（春宮・皇太子の正室）男子を安産にてご出産》

　《対の上（紫の上）は、扱いにくそうでいらっしゃる若宮の小さなお体を、いつも引き取っては
若宮をお抱きになっているので、実の祖母君（明石の女御の祖母）はいっさい
こちらにお任せ申して、》・・・・・お湯殿のお世話などをご奉仕なさる。工芸　８６号　和時計特集　塚田泰三郎。
東宮（皇太子）の宣旨である典侍（ないしのすけ）が産湯の御役をおつとめする。津島神主　氷室長翁短冊　氷室長翁か。
御方（明石の君）がご自分からすすんでそのお相手役をなさっているのを見ると、
典侍（ないしのすけ）はまことに胸を打たれる思いがして、内々の事情を多少は知っているので、
（典侍）「もしもこの御方（明石の君）にもう少しいたらぬところがありもしたら
女御（明石の女御）の御ためにはおいたわしいことであったろうに。織田盛衰記　江戸後期写本。
この御方（明石の君）は、驚くばかり気品がおありで、なるほど、
このような格別のご運がおありのお方だったのだ」
とお見受けしている。美術と工藝の話 柳宗悦著 章華社刊 初版。
そのころの儀式などをいちいちそのまま伝え語るのも、豪華絢爛でまったく
いまさらめいているというものではある。グンカン　（児童書　絵本　漫画本）　渡邊哲夫作　安井小彌太画。
六日目に、女御（明石の女御）はご自分の御殿にお移りになった。水の面に書きて　堀口大学著　長谷川潔装幀。
七日の夜、帝（冷泉天皇）からも御産養を賜る。田中冬二草稿　随筆一点と詩篇４点　田中冬二。朱雀院（前朱雀天皇）がこのように俗世をお捨てあそばしている御代りということで
あろうか、蔵人所（くらうどどころ）・・・・《から頭弁（とうのべん）が宣旨を承って、
例のないくらい盛大にご奉仕した。忍秘伝/服部半蔵所伝/万川集海・正忍記と共に三大忍術伝書/限定。》

現代語訳の出典・「源氏物語」小学館刊・阿部秋生・東大名誉教授（1999年没）

備考・出品した自筆は、大炊御門宗氏・自筆で近衛基熙の旧・所蔵になるものです。校訂　西鶴全集　上巻５冊　尾崎紅葉他校訂。
禁裏（京都御所）で書かれたものです。歌聖糟谷磯丸翁陶像など　昭9年雪鴻箱書（箱蓋裏に）。

（２）・自筆の「英訳文」は次の通りです。豊明り　可都美序　俳書。

《New Herbs Part One（若菜・上）》
The crown prince was represented by his lady of honor,
who watched the Akashi lady carefully and was most favorably impressed.
She had known in a general way of the lady's circumstances
and had thought how unfortunate it would be for the crown princess
to be burdened with an unacceptable mother.
Everything convinced her that the lady had been meant for high honors.
Natal ceremonies should be familiar enough that I need not go into the details.

英語訳文（英文）の出典：『The Tale of Genji』
Edward George Seidensticker（エドワード・ジョージ・サイデンステッカー）コロンビア大学教授（2007年没）


（２）・自筆の「中国語訳」は次の通りです。史徴墨宝・上下/折帖/源頼朝・楠木正成・後醍醐天皇・後白河天皇・足利尊氏・織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・毛利元就・加藤清正・北條早雲。

《若菜・上》
真的外婆明石夫人一切都紫夫人做主，自己任沐之事。安藤帯刀・水野対馬より西山与七郎宛加増目録　伊勢国多気郡・度会郡・飯高郡・紀伊国日高郡村々。
以前宣布立皇太子的旨的女典侍，
是司理沐之事的。劔目利傳書　剱目利伝書　刀剣　日本刀　室町末期頃寫。看明石夫人自来助， 得很不起。果樹　水上瀧太郎。
明石夫人出身的内情，典侍曾略知。女人散らし書き　Ｂ。明石夫人的人品如果略有缺陷，
女御不免失体面。平出修短冊　室戸岬　平出修。然而明石夫人气度十分高雅，
因此典侍得真是命特的人。明和新増　京羽二重大全　全８冊　博昌堂謹誌。此次祝之盛况，一如向例，不述。猛獣狩冒険　密林の王者　南洋一郎。
后六日，明石女御从西北院回南院。梅花一枝　限定３００部　清水公照。第七日之夜，冷泉帝也。中山東物語　（雑史実録）。
朱雀院已出家，不能来探，

中国訳文の出典：『源氏物（Yunsh wy）』
豊子愷（ほうしがい）中国最初の「源氏物語」翻訳者（文化大革命で没）

「若菜・上の巻」原本の末尾（原本番号108-B）の印は、仙台藩第五代藩主・伊達吉村の正室・伊達貞子の押印
中央の写真（右から２番目）の写真が「源氏物語」若菜・上の巻の末尾（原本番号108-B）の押印。虚無を行く　西谷勢之介詩集　西谷勢之介。
左下の四角の大きな印は仙台・伊達家の家紋の印（竹に雀）
家紋の上２つの印は仙台藩主第五代藩主・伊達吉村の正室（冬姫）の印。水谷勇夫　書琉球の風・短冊・展覧会案内など　一括（作品１０点と案内状４点）　水谷勇夫。冬姫は内大臣・通誠の養女。近世太平記　全3冊　吉村明道編。
冬姫は通称。志賀直哉の手紙　武者小路実篤編。正式な名は伊達貞子。骨董集　全４冊　山東京伝。2つとも貞子の印。信濃之図（仮題）。左端の写真は「若菜・上の巻」末尾の拡大写真。美濃国絵図　（大図）　制作者等不明。
左上端の細長い落款は、「我君不遊有深意（わが君の遊ばざるは深意あり）」の漢詩文の印。東春日井郡実測図　東春日井郡教育会編。漢詩文の右の２つの印のうち、下は出雲藩主・松平治郷（不昧公）の正室・方子（よりこ）の印。鉄砲（秘伝聞書）一巻子細書付　有馬源蔵書　花押。方子の上の印は方子の娘・幾千姫（玉映）の印。伊勢門水自画賛幅　高砂末広　伊勢門水。右上の印は仙台藩医・木村寿禎の落款。流星の道　（歌集）　与謝野晶子。右端の写真上は仙台藩主（伊達家）正室一覧表の表紙。子供絵本　アイウエオ　附相撲　（児童書　絵本）　榎本進一郎装画。表紙の下は一覧の拡大写真（仙台市立博物館・刊行）


自筆の疎明資料等は、下記の通りです。霜夜鐘十時辻占　稲村荘吉編、刊。


（Ⅰ）・上の写真右端は、高松宮「源氏物語」のうち「桐壺」の巻冒頭・(出典資料　別冊「太陽」「源氏物語絵巻五十四帖」（平凡社・刊）７８頁。安楽集鑰聞（やくもん）　全７冊　知空。筆者は近衛関白政家公。岡部一彦水彩画　エベレスト遠望　岡部一彦。中央の写真は、応永五年（1398）の年号。井上士朗　自作句画画帖　井上士朗。年号の左の印は、出雲・松江藩主・松平治郷の正室「方子（よりこ）の落款（印譜）。博物要論　佐々木武綱訳。左の写真は、桐壺の巻の奥付。美作国津山御家中連名附　他　松平家。左大臣から関白に昇進した近衛基熙（もとひろ）公の花押。尾張国全図　完　小田切多芸雄等。上下２段の花押のうち、上の印は。新方丈記　内田百閒。出雲・松江藩主・松平治郷の正室「方子（よりこ）の落款（印譜）、下の印は仙台藩医・木村寿禎の落款（印譜）


「自筆の画像断層(MRI)写真」

（出品した自筆の「断層画像写真」（若菜・上の巻）MRI 34―76B
自筆下二つの印は、出雲・松江藩主・松平治郷の正室・方子（よりこ）と娘・幾千姫（玉映）の落款


「天皇の曽祖父・大炊御門宗氏の系図」「額縁裏面表記ラベル」
「近衛基熙の肖像」「後西院天皇主賓の茶会の記録」

1番上の写真は、第103代後土御門天皇と曽祖父・大炊御門宗氏の系図（公家事典303頁）
2番目の写真は「額縁裏面」に表記されるラベル。宮尾しげを画幅　茶柱　宮尾しげを。2番目の写真は近衛基熙の肖像（陽明文庫・所蔵）
3番目の写真は、第107代後陽成天皇の曾孫・近衛基熙の天皇家・近衛家略系図
【天皇家・近衛家略系図の出典（淡交テキスト「茶会記」に親しむ・７）平成29年7月淡交社・刊行】
4番目の写真は、「日本史の茶道」千利休の孫・宗旦と近衛基熙の茶の湯の交流」120頁（淡交社刊）
5番目の写真は、近衛基熙が、御所で第111代・後西院天皇を主賓に茶会を開催した記録「公家茶道の研究」55頁（谷端昭夫・著）


「源氏物語」「若菜・上の巻」絵図、茶室関係資料

下記写真1番目は、「源氏物語屏風（若菜・上）」東京国立博物館所蔵

猫が開けた御簾(みす)の隙間から、柏木が女三宮を目撃する「若菜・上」の有名な場面


上から2番目の写真は、「淡交」別冊（愛蔵版・№71　『源氏物語』特集）

上から3番目左右の写真は、茶会における大炊御門宗氏・自筆「源氏物語」を茶道具として用いた茶室の事例

大炊御門宗氏・自筆「源氏物語」近衛基熙・旧所蔵（断簡）を出品
商品説明（来歴）	大炊御門宗氏・自筆「源氏物語」は、第107代後陽成天皇の曾孫・近衛基熙の旧所蔵である。尾崎士郎書簡　村本喜代作宛　尾崎士郎。近衛基熙は、「源氏物語」に造詣が深く、「源氏物語」の注釈書『一簣抄』（いっきしょう）を書いてある。政体真説　政党論　合川正道訳　アルバート・スチック。出品した大炊御門宗氏・自筆「源氏物語」は、近衛基熙が研究のために収集し、のちに近衛家から出雲松江藩主・松平治郷（不昧公）の正室・方子（よりこ）に伝わり、方子の生家である仙台藩から同藩の藩医・木村寿禎に伝来していたものである。つばめと日の丸　山田三郎。
漢詩文	原本自筆上部に「我君不遊有深意（わが君の遊ばざるは深意あり）」という漢詩文の落款が押捺されている。御江戸絵図（仮題）　高柴三雄誌。この漢詩は「白氏文集」の「離宮高」の漢詩に由来するものです。改正　参河国全図　岡田啓識。「若菜・上」の巻では、冷泉天皇が源氏の君の四十の賀にかこつけて、源氏の君の許に「行行」をしたいと思うが、これを聞いた源氏の君が辞退を申し出る。尾張明細図　全国之部　小田切春江画。自体の理由は、天皇の行幸には莫大な支出が伴うため、庶民の財を費やすことになるので天皇の行幸をいさめたものである。大相撲番付　嘉永五年東西二枚で（刷物　番付）　勧進元小野川秀五郎。原文の漢詩は、「白氏文集」の漢詩で、白氏は「天子（皇帝）の人（たみ）の財力を重惜するを美（ほ）むるなり」との名言を残している。夏ごもり（夏籠集）　俳諧　梅老編。源氏の君は、天皇が源氏の君を訪ねるために「世間の迷惑となるようなことをなさいませんように」という意味で語りかけたものです。花かんざし　高橋椈太郎。紫式部は「若菜・上の巻」を書くに際し、漢詩を熟読したうえで原文を書いていることがわかります。東宮殿下行啓記念・後の大正天皇・2冊/明治44年/田山宗堯/明治期北海道風景名所写真帖・アイヌ含む189図版/北海道庁・札幌神社・函館競馬場。
漢詩の落款の意味	原本上部の漢詩の落款は、「讃」と称されるもので、古来、掛軸の書画に第三者がお褒めの言葉を書き込むもので元々は自筆でした。藤井勝彦肉筆原画　地球のかけら　藤井勝彦。貴族から始まり藩主、あるいは高名な茶人や僧侶が書かれて、それが茶会の「掛軸」に装丁されて披露されておりました。伊豆日記　全３冊　小寺応斎画。　特に出雲・松江藩などの茶道の盛んな大名家の所蔵する自筆などに「讃」が付され、後に自筆に代わり、石刻による「漢詩」の篆書が「讃」として用いられました。悲壮惨憺　昂駒之蹄　中村弼　小林清親口絵・挿絵。　「茶事」は、「ヨーロッパの晩餐会（ばんさんかい）」とも言われます。敵討巌流島　写本６冊　佐々木　宮本無三四。晩餐会では、「ワインを楽しむために行われる」ところも似ています。前田利豁と不破彦三より小島六郎左衛門宛書状　２通で。とりわけ、茶室に入って行うことは、床の間の「掛け軸」（かけじく）を拝見（はいけん）することです。神都名勝誌　全６巻７冊　神宮庁編。茶道では「掛け軸は最高のごちそう」といわれております。森有一画賛幅　木の実（仮題）　森有一。とりわけ、漢詩の落款は、ただ、古典の漢詩を入れればいいという単純なものではなく、たとえば、「源氏物語」の場合、原本の中に込められている紫式部が考えた知識を読み解くことにあります。吉田初三郎肉筆画幅　桃太郎日本一　吉田初三郎。「讃」の中に有名な白楽天の漢詩を単純に落款として入れたのではなく、紫式部が原本の中に白楽天の漢詩を読み込んでいることを知ったうえで漢詩を選んでおります。通鑑覧(ラン)要　全１５冊　張景星他著　佐藤一斎撰。　落款の「讃」の元になるその原文の個所には、 「我君不遊有深意（わが君の遊ばざるは深意あり）」という漢詩文の落款が押捺されている。大阪府日報　初号　（日刊浪華要報１号）　版元不明。この漢詩は「白氏文集」の漢詩に由来するものです。小泉八雲初期文集　尖塔登攀記　外四篇　小泉八雲／佐藤春雄訳。 つまり、原文の内容に関する漢詩の落款を押捺しているのは、茶会における床の間の「掛け軸」（かけじく）を拝見（はいけん）の際に、茶会を主催する亭主が、客に「最高のごちそう」を振る舞うために披露したものです。十六夜日記残月抄　全3冊　高田与清・北条時鄰補。茶会の際に落款に記された由来を知った客が広くそのことを社会に広めたために結果的に、多くの茶会に開催される「最高のごちそう」として原文に関係する漢詩の落款を付したものです。アメリカン　アメリカ　濱谷浩。「落款」の漢詩の由来を待合において説明する際に、長い時間を要し、茶会における貴重な時間であったと推定されております。神社古図集/神社の境内・社殿の古絵図を集成し解説を付したもの/奈良時代から桃山時代/130図版/1000部/東大教授宮地直一監修/昭和17年。
自筆の希少価値について	自筆の稀少価値は、和紙の生成技法の緻密さにあります。前津小林村地籍図（名古屋市中区）　木村又兵衛他製図。上の「拡大断層（MRI）写真」でわかる通り、極めて薄い和紙の上に墨の文字がくっきりと浮き上がるように「源氏物語」の文字が記されております。欧洲奇話　寄想春史　全３冊　リトン著・織田純一郎訳　服部誠一校閲。 出品している書の「断層（MRI）写真」の原板は、レントゲン写真と同じ新聞の半分ほどの大きさのフィルムです。中村草田男色紙　伊良湖崎遠望　中村草田男。肉眼では見ることのできない和紙の繊維の一本一本のミクロの世界を見ることができます。江崎誠致草稿　中村真一郎作　恍惚の書評　江崎誠致。日本国内では医療用以外には見ることのできない書の「断層（MRI）写真」です。石田元季短冊　桃散るや　石田元季。 古切の書は、一旦表装を剥離し分析と鑑定検査のために「断層（MRI）写真撮影」をしております。加茂郡潮見村全図　戸長柘植氏署名黒印。撮影後、展示のために再表装をしております。パリュウド　限定３２８部　ジイド　堀口大学訳。掛軸や屏風にすることが可能なように、「Removable Paste（再剥離用糊）」を使用しているため、自筆の書に影響をあたえずに、容易に「剥離」することができるような特殊な表装となっております。井上士朗短冊　あくまでも…　井上士朗。
断層(MRI)写真	従来、日本の古美術の鑑定の際の分析・解析は、エックス線写真、赤外写真、顕微鏡が中心です。応仁武鑑　全７冊　栗原信充編。一方、アメリカやイギリスでは研究が進み和紙の組成状況を精確に分析・解析をするために断層(MRI)写真が利用されており、今回の出品に際し、「断層(MRI)写真」を資料として出しました。記念　挿華三光の香　全２冊　未生流流甫編。本物を見分けるための欧米の進んだ分析・解析技術を見ることができます。さじ加減　高橋仏骨。
寸法	「源氏物語」自筆の大きさ　タテ２１．８センチ　ヨコ１２．８センチ。稀少 1879年 明治12年 信州川中嶋合戦 上巻 木版画 浮世絵 幽霊 妖怪 化物 怪奇 武田信玄 上杉謙信 侍 和本 草双紙 古書 古文書 約80ページ。額縁の大きさは　タテ３７．０センチ　ヨコ２８．０センチです。井上士朗句幅　ひやひやと…　井上士朗。額縁は新品です。公私雑報　第一号。
「源氏物語」の自筆について	１・筆跡の分析について 　国内における鑑定人は、自筆の筆者を識別するために、個々の文字ごとに字画線の交叉する位置や角度や位置など、組み合わせられた字画線間に見られる関係性によって、個人癖の特徴を見出して識別する方法、また個々の文字における、画線の長辺、湾曲度、直線性や断続の状態、点画の形態などに見られる筆跡の特徴によって識別する方法、そして、書の勢い、速さ、力加減、滑らかさ、などの筆勢によって識別する方法が一般的な手法です。絵ごよみ　限定３００部　清水公照。 一方、欧米では一般的には、「筆者識別（Handwriting Analysis）」と呼ばれる文字解析をコンピューターの数値によって解析しております。娘三人記　片岡鉄兵。数値解析は、文字の筆順に従いX、Y座標を読み、そのX、Y座標をコンピューターへ入力後、コンピューターによって多変量解析を行うものです。希少★享和2年 「肥前長崎図」 文錦堂板 折畳古地図 出島 オランダ船　(管理53976527)。解析の基準となるのが「ドーバート基準」で、アメリカでは日本国内の画像データを自動的に収集、自筆の分析に際し、数値データをコンピューターで自動的に解析し「極似」した画像データによって筆者を識別する研究が進んでおります。信濃漫録　荒木田久老。 ２・大炊御門宗氏（おおいのみかど むねうじ）の自筆の特定について 自筆の筆者は、書体、書風から京都の公卿によって書かれたものであるはわかっていたが、昭和38年以来、筆者名は特定されていなかった。頼朝公御書　豊後國湯布院住人／新田法眼照義入道。その後、「筆者識別（Handwriting Analysis）」と呼ばれる文字解析と並行し、奥書の「宗」の字の下の文字が判読できずにいた。玻璃　１～３号　３冊　関川左木夫編。それが、技術の進歩により「宗」の下の文字が「氏」と判読された結果、南北朝時代から室町時代前期の公卿であった「大炊御門宗氏（おおいのみかど むねうじ）」であることが判明した。松平正直書幅　宝祚之隆典天懐無窮　松平正直。 「源氏物語」には、応永五年（1398）～応永十三年（1406）までの複数の年号の記載があることから、大炊御門宗氏が２３歳から３１歳までの間に書かれたものと推定されている。版画誌　陸奥駒　第１７号　全１２葉　佐藤米次郎編　棟方志功　川上澄生　関野準一郎他。宗氏は、正二位・内大臣まで昇進したのち、応永28年（1421）４７歳で没している。恐怖の花籠　日本名探偵文庫　１３　海野十三。 ３・自筆「源氏物語」の旧・所蔵者の特定の経緯について 近衛基熙の旧・所蔵の特定は、「花押」の写真照合技術によるものです。海外名哲士鑑　菊池武信翻訳。アメリカのコンピューターを用い、「筆者識別（Handwriting Analysis）」と呼ばれる文字解析を、花押の照合に応用し、指紋の照合方法と同じ手法により99.9パーセントの確率で特定に至ったものです。人情小説　花情粋話　ビトリオー・ベルセジオー著　大石高徳訳。 ４・近衛基熙（このえもとひろ）について 近衛基熙は、慶安元年（1648年）3月6日、近衛尚嗣（関白・左大臣）の長男として誕生。せんたくやの驢馬　世界童話集　１９　鈴木三重吉編。母は後水尾天皇皇女女二宮。歌集　白き山　斎藤茂吉。実母は近衛家女房（瑤林院）。詩集　あの山越えて　小川未明。幼名は多治丸。小倉清三郎草稿　膳の研究の吟味　（一）　小倉清三郎。父、尚嗣が早世し、尚嗣と正室女二宮の間には男子がなかったため、後水尾上皇の命により、近衛家の外にあった基熙が迎えられて上皇の保護下で育てられた。チョーサー　カンタベリー物語　エルズミア写本　全２冊　ジェフリー・チョーサー。承応3年（1654年）12月に元服して正五位下に叙せられ、左近衛権少将となる。芹沢銈介型絵本の内　小間絵集（二）　芹沢銈介。以後、摂関家の当主として累進し、翌年明暦元年（1655年）従三位に上り公卿に列せられる。仏説無量寿経　全２冊　西村九郎右衛門板。明暦2年（1656年）に権中納言、万治元年（1658年）に権大納言となり、寛文4年（1664年）11月23日には後水尾上皇の皇女常子内親王を正室に賜った。厚物咲　（芥川賞）　中山義秀。寛文5年（1665年）6月、18歳で内大臣に任じられ、寛文11年（1671年）には右大臣、さらに延宝5年（1677年）に左大臣へ進み、長い時を経て元禄3年（1690年）1月に関白に昇進した。幕末大日本御絵図（仮題）。近衛基熙は、寛文5年（1665年）から晩年まで『基熈公記』で知られる日記を書いている
HP	近衛基熙・旧所蔵「源氏物語」自筆を出品いたしました。滋賀県蒲生郡日野町　法興寺文書　岡　日野屋などの町方・世話方控え。出品以外の所蔵品を紹介した出品者のホームページ「源氏物語の世界」をご覧ください。豆本　飛翔する唇譚　限定１０部　篠原佳尾。 ツイッター「源氏物語の世界」も合わせてご覧ください。前橋藩下級武士席順帳（仮題）　高輪御陣屋内田氏控へ。

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